序:スパンキーにはメンヘルが多い!?

私がこの言葉を最初に耳にしたのはいつのことだったか、もう覚えていませんが、本当に幾人ものスパ人の方から度々お聞きする言葉でした。
私自身も何度か口にした言葉でもあります。

「スパンキーにはメンヘルが多い」

実際どうなのでしょう?

もちろんスパンキーの中のメンヘル人口の割合が、日本人の中のメンヘル人口の割合を越えていれば客観的に「多い」と結論付けることはできますが、実際の所そういった数字的な結論を出すことに、たいした意義があるとも思えません。

ある一人の人間が出会ったスパンキーがたとえば5人居たとして、そのうち3人がメンヘルであれば、その人にとってスパンキーのメンヘル率は50%を越えている訳で、「多い」と感じても致し方ない。

そんな風に「スパンキーにはメンヘルが多い」と感じている人間が相当数いるということは確かなようで。

基本的に「メンヘル」という言葉は、精神的な病気すべてを指します。
鬱病、躁鬱、統合失調症、様々な神経症、境界例・・・etc
そしてこれらの病気を抱えている人のことを「メンヘル」と呼んだり「メンヘラー」と呼んだりするのですね。

そして「スパンキーにはメンヘルが多い」という言葉の文脈には、どんな内容が続くのかというと、

「メンヘルは迷惑」
「メンヘルにはかかわりたくない」
「マトモな子はいないのか」


・・・気持ちは分かりますよ、よ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜くね。

誤解を恐れずに敢えてハッキリ書くならば、メンヘルの人間と真剣に関わることは、関わる人間にとって実際問題、相当な負担になることは事実です。

だから「スパンキーにはメンヘルが多い」という言葉と共に、その裏に含まれる「メンヘルにはかかわりたくない」という気持ちを否定するつもりも糾弾するつもりも、全くありません。

ただ、長い間ずっと、とても身につまされる言葉ではあったのです、私自身にとって。

それは今はすっかり克服したにせよ、1度ディープに鬱病を経験しているということがひとつ。
そして、そういう経緯からか、メンヘルな悩みを抱えているスパンキーの女の子の気持ちに、なまじ共感してしまい、そこに自分の姿を見てしまうということがひとつ。

けれどこの言葉をきっかけに、悩み苦しみながらも、スパンキーである自分自身はいったい何者なのか、スパンキーがリアルスパを求める気持ちのベクトルはいったいどんなものなのか、脳みそひっくり返して悩み続けて、本当にたくさんのことを考え、うっすらと見えてきたものがありました。

これから書いてゆく文章は、主に私自身の体験を軸とし、幾人かのスパンキーさんの様子をお見掛けした中から帰納的に得られた考察に、心理学的な知識からの演繹的考察も加えて組み立ててみた、一つのスパンキー論です。

如何せん、私個人の狭い視野の中での主観と体験を軸とした論なので、ここに述べる事によってスパンキーを語りつくすことができるなどと豪語するつもりは毛頭ありません。

しかし、私が長く悩み苦しんできたスパンキーとしての道のりの中で得られた考察が、どこかのスパンキーさんや、スパンカさんにとって何らかの参考になるのなら・・・そんな思いを込めて、私は私の経験とそこから得てきた考えを文章にしてここに残すこととしました。

この文章は小夜というスパンキーがたどり着いた一つの結論であり、またeinekreuzというサイトの一つの到達点とも言えるものになると思います。

どうか最後までお付き合いいただければ幸いです☆